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遺伝の法則から見る競馬 下
2015/05/18 15:19

さて眠くなりそうですががんばりましょう。


染色体の中で、遺伝子と呼ばれる部分があります。
全体の2%くらいが遺伝子だと言われてるので意外と少ないですね。
DNAは遺伝子じゃない部分がほとんどで、そこのDNA達はなにか働きがあったり無かったりします。


どの染色体のどの部分に何の遺伝子部分があるかは決まっています。
誰でもみんな同じところに同じ遺伝子があります。



そして遺伝子はたんぱく質の設計図になっています!ここ重要!


たんぱく質というと筋肉とか卵の白身とかを想像されるかもしれませんが、生物学はたんぱく質に始まり終わるくらい、その機能たるや38億年かけて進化してきたからってそう上手く行くかねというくらい生命活動の根幹を成しています。



たんぱく質はアミノ酸(バリンとかロイシンとかイソロイシンとか)の集合体です。


20種類あるアミノ酸がどの順番に結合していけば欲しいたんぱく質ができるか書いてあるのが遺伝子です。

すごいね遺伝子って!


でも誰でもそうなんですが、遺伝子は変異を起こします。

設計図が狂ってしまうんですね。だから変なたんぱく質ができます。


変なたんぱく質はもはや使い物になりません。


働いてくれないので、健康に影響が出ます。


でもご安心。


たとえお父さんからもらった染色体に載っていた遺伝子がダメでも、

お母さんからもらった同じ遺伝子が健康なら大抵は健康に問題ありません。



お母さんから来た遺伝子が正しいたんぱく質を作ってくれればだいたい事は足ります。


逆も然り。お母さんのがダメでもお父さんのが正常ならオケ。


欠損してる部分は人によってまちまちですから、




どっちかは正常でしょう!しかしそれは他人同士のお話し!






ここでようやく本題です!


サンデーの血が濃いホエとオル!


サンデーからもらった染色体を2頭とも結構多く持っています!(確率でいうと1/4がサンデー由来)


そして精子と卵子に渡します!



それが出会った受精卵は、、、例えば「1番染色体はどちらもサンデー由来だった」なんて事があり得るわけです。




誰でも人間でも馬でも欠損した遺伝子の100個や200個は持っています!(遺伝子は全部で25000くらいあると言われています)



サンデーの欠損した遺伝子がたまたま両馬から受け継がれたとき、



「ある遺伝子部分」で、「お父さんからの遺伝子」も「お母さんからの遺伝子」も「共に欠損していた」

なぜなら「どちらもサンデーサイレンスからもらったから!」「そりゃ同じ部分が欠損してるよ!なっとく!」という理屈。





これが近親交配の危うさです。


ある重要な役割を持つたんぱく質が、父由来と母由来共に変異していたら。


重大な健康障害を引き起こします。



ブラッドスポーツであり優秀な個体の特徴を濃く引き継がせるために行われてきた近親交配(inbreed)



手放しで喜ぶ事ができないのはこう言った危険をはらむからです。



しかし大好きな馬同士が交配する。これも競馬の大きなロマン。



願わくば欠損した遺伝子が並ばないように。願っています。

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